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「ただし感覚的な立場はあります。一言で言えば、悪趣味なものはOKだが、趣味の悪いものは苦手です。たとえばジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画は、悪趣味の典型です。けれどもそこにはあふれるほどの映画への愛が感じられるし、大好きですね。でも『セックス・アンド・ザ・シティ』は趣味が悪くて生理的に受け付つけない。ほかの例で言うなら、電撃ネットワークの南部虎弾さんの髪型は悪趣味だから好きですが、片山さつきさんの髪型の、あの趣味の悪さには耐えられない(笑)。あの髪型は1980年代の負の遺産ですね」
(中略)
「18世紀に書かれた英国産ゴシック小説なんかは、悪趣味な文学の典型でしょうね。ゴシック小説というのは悪人がいろいろと悪事を働く怪奇小説なんですが、悪い奴がいかにも悪そ~に出てきますものね。多くの作品でイタリアが舞台になってるのも『イタリアに失礼だろ!』とか思いますし。英国人のイタリアコンプレックス丸出しで、実に悪趣味ではあるんですが、悪趣味すぎて許せちゃう。けれども本屋大賞にノミネートされるような、明朗な『青春ってすばらしい!』的な小説。あの趣味の悪さには耐えられない」
休日のみの文筆家、千野帽子さんの、本を楽しく論じる生活。/Clippin JAM


「ただし感覚的な立場はあります。一言で言えば、悪趣味なものはOKだが、趣味の悪いものは苦手です。たとえばジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画は、悪趣味の典型です。けれどもそこにはあふれるほどの映画への愛が感じられるし、大好きですね。でも『セックス・アンド・ザ・シティ』は趣味が悪くて生理的に受け付つけない。ほかの例で言うなら、電撃ネットワークの南部虎弾さんの髪型は悪趣味だから好きですが、片山さつきさんの髪型の、あの趣味の悪さには耐えられない(笑)。あの髪型は1980年代の負の遺産ですね」

(中略)

「18世紀に書かれた英国産ゴシック小説なんかは、悪趣味な文学の典型でしょうね。ゴシック小説というのは悪人がいろいろと悪事を働く怪奇小説なんですが、悪い奴がいかにも悪そ~に出てきますものね。多くの作品でイタリアが舞台になってるのも『イタリアに失礼だろ!』とか思いますし。英国人のイタリアコンプレックス丸出しで、実に悪趣味ではあるんですが、悪趣味すぎて許せちゃう。けれども本屋大賞にノミネートされるような、明朗な『青春ってすばらしい!』的な小説。あの趣味の悪さには耐えられない」

休日のみの文筆家、千野帽子さんの、本を楽しく論じる生活。/Clippin JAM